法事を執 り行う際は、お供 えのお礼として法事引出物を用意することがマナーとされています。しかし、法事引出物を誰に渡すべきか、どのような品物を選べばよいのかわからず悩む方も多いでしょう。
今回は、法事引出物の基本的なマナーと選び方を解説します。金額の相場のほか、高額なお供えや欠席された方からいただいた場合の対応についても紹介します。
法事引出物とは、法事の際に受け取ったお供えに対するお礼の品物です。四十九日・一周忌・三回忌など、法事に参列していただいたことやお供えを用意していただいたことへの感謝を込めて贈ります。
親族や身内からお供えをいただいた場合も、同様に法事引出物をお渡ししましょう。
法事引出物は参列者ごとに品物を変えず、一律同じものを用意するのが一般的です。法事のお供えを受け取った当日にお渡しするので、お供えの金額によって贈り分けるのは難しいでしょう。
なお、法事のお返しと香典返しは別物です。香典返しとは、葬儀でいただいたお香典に対するお返しであり、四十九日の忌明けに贈ります。
近年では香典返しを葬儀当日に贈るケースが増えているものの、法要の引出物と贈るタイミングが近いので混同しないように注意しましょう。
葬儀の香典と法事のお供えのいずれも用意してくれた方には、香典返しと法事引出物の両方を用意します。
法事引出物は、お供えの半返しを目安にするとよいといわれています。
しかし、法要後に会食があったり、高額なお供えをいただく可能性があったりすると、相場どおりの金額でよいのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、一般的な法事引出物の予算を状況別に解説します。
法事引出物の予算は、3,000〜5,000円ほどが目安です。お供えの金額に対して、3分の1から半額程度を基準に品物を選びましょう。
法事に出席する人のお供えは、1人あたり10,000円程度が相場とされています。3,000〜5,000円ほどのお返しを選べば、ちょうどお供えの金額の3分の1から半額程度になるでしょう。
金額相場は地域によって異なるケースもあるので、状況に応じて検討しましょう。
法要後に会食がある場合、法事引出物は2,000円〜5,000円ほどが目安です。会食を用意しているものの、法事引出物は会食がないときと同額もしくはやや抑える程度にそろえましょう。
法要が終わったあとに参列者に振る舞う会食は、お斎 と呼ばれています。会場によっても異なりますが、お斎の相場は1食分で5,000〜10,000円ほどです。お斎と法事引出物を足し合わせた金額が、お供えの金額に対して8割〜全返しに収まることが理想的なお返しとされています。
なお、お斎を用意せず参列者へ仕出し弁当を手渡す場合は、金額相場よりもやや高めの品物を手渡しましょう。
相場以上のお供えをいただいても、当日お渡しする法事引出物で済ませるケースが一般的です。
お供えには、遺族の負担に対する気遣いが込められています。参列者の気持ちを汲 み取り、ありがたく頂戴することもマナーとされています。
ただし、高額なお供えに対する感謝の気持ちを形として示したいなら、追加の品物を用意しても問題ありません。高額すぎるお返しは相手に気を遣わせるので、お供えの4分の1〜3分の1相当を目安に選びましょう。
追加の品物は、法要から1週間〜10日後に先方に届くよう手配することがマナーです。掛け紙の表書きには「御礼」と記し、丁寧なお礼状も添えて感謝の気持ちを伝えましょう。掛け紙やお礼状のマナーは、記事の後半で解説します。
法事引出物をいつお渡しするべきか、法要を執り行う住職さんにも必要なのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、法事引出物を渡すタイミングとマナーをさらに詳しく解説します。
法事引出物は、法事の当日に渡すことが基本です。ただし、後日郵送で贈る場合もあります。参列者には法事の当日、会食が終わるころに施主 から手渡ししましょう。
参列者の人数が多く手渡しが難しい場合は、会食会場のそれぞれの席に事前に置いても失礼には当たりません。一人ひとりにお礼を直接お伝えできないお詫びと、引出物を持ち帰っていただくことを、施主の挨拶で伝えましょう。
会食がない場合は、参列者をお見送りするタイミングで引出物を直接お渡しします。
一方で、法事は欠席されたもののお供えを送っていただいた方には、引出物を後日郵送しましょう。
自宅に伺い直接お渡しすることが丁寧とされていますが、予定が合わない場合や遠方に住んでいる方も多い場合は、郵送しても問題ありません。郵送の際は、直接伺えないことに対するお詫びを記したお礼状を添えましょう。
後日郵送する場合は、参列者に贈ったものと同じ品物でよいとされています。お斎の代わりに品物をひとつ追加すると、より丁寧な印象になるでしょう。
ただし、地域によってマナーが異なるケースもあります。悩んだときは、地域の風習に精通している親族や斎場のスタッフに相談しましょう。
お寺のご住職にも法事引出物をお渡しすることがマナーとされています。お布施 やお車代のほかに用意しましょう。
ご住職にも、参列者と同じ品物を渡すことが一般的です。特別な品物を用意する必要はありません。ただし、徒歩やバイクで帰路につくご住職も多いので、かさばらず軽いものを選びましょう。
ご住職にお渡しするタイミングは、会食後が望ましいです。ご住職が帰る支度をはじめたころに、お礼の言葉を添えてお渡ししましょう。なお、ご住職に渡す法事引出物の表書きは、御礼と入れるか空欄のままで問題ありません。
なお、ご住職から法事引出物は不要と言われた場合は、用意する必要はないでしょう。お寺によっては法事引出物を受け取らないと決めていたり、お布施と合算して請求していたりする場合もあるので、状況に応じて準備しましょう。
法事引出物は、消えものが定番です。使うとなくなる消えものは「悲しみをあとに残さない」という意味が込められています。
よく選ばれている品物はお菓子・お茶・コーヒー・乾物・乾麺・調味料など、口にするものです。好みが分かれにくいので、多くの方に喜ばれやすいでしょう。
消えものではありませんが「悲しみを拭 い去る」という意味を持つタオルも、法事引出物の定番です。参列者の家族構成やライフスタイルを考慮したうえで、選択肢に入れるとよいでしょう。
なお、持ち帰る際に邪魔にならないよう、かさばらず軽いものを選ぶことがマナーとされています。品物が多いほどよいというわけではありませんので、選ぶ際に配慮しましょう。
また、肉や魚・昆布・お酒・かつお節は、法事引出物にふさわしくありません。殺生 やお祝いごとを連想させるので、故人や参列者が好むものであったとしても候補からは外しておきましょう。
贈り物・カタログギフト専門店「antina gift studio(アンティナギフトスタジオ)」では、法事引出物として次の品物をおすすめします。
それぞれの特徴や人気が高い理由、おすすめ商品を紹介します。
お茶は故人を偲びながら飲み「再び前を向いて生きていく」という意味が込められる贈り物です。好みが分かれにくく毎日口にするものなので、もらって困ることがないでしょう。
法事引出物として贈るなら、品質の高い品物を選ぶことが大切です。昔ながらの伝統的なブレンド技術を採用している「肴七味屋 / 宇治煎茶2缶」は、ほのかな香りと深い旨みを楽しめます。
お茶の産地として名高い静岡で生まれた「愛国製茶 / 天皇杯受賞生産組合の茶 静岡煎茶80g×2」は、土地作りから良質なお茶の育成にこだわっています。
紅茶が好きな方には、紅茶を贈るのもおすすめです。「カネ十農園 / 3種詰合わせ(煎茶・焙じ茶・アールグレイ)」は3種類のお茶がセットになっており、気分に合わせて異なる味わいを堪能できるでしょう。
コーヒーは朝食や休憩中に愛飲する方が多く、お茶以上に消費する方も多いでしょう。
「スターバックス / プレミアム(16袋)」は苦いものを好まない方にもおすすめです。クリーミーなラテは、スイーツ代わりとしても楽しめます。
「THE COFFEE HOUSE / コーヒーリキッド2本セット」は墨田区に店舗を構える珈琲店の味わいを、自宅で手軽に作れます。アイスコーヒーやアイスカフェオレのほかに、コーヒーゼリーなどのアレンジメニューも再現できるでしょう。
「le pain boule / ナシャコーヒー オリジナル・クラシックセット」のように、異なる種類のコーヒーを飲み比べて楽しめる品物もおすすめです。
法事引出物として王道の品物である和菓子は、年配の参列者に喜ばれやすいでしょう。
軽くて日持ちのするせんべいやあられのほか、歯が弱い方でも食べやすい甘納豆、水ようかん、おまんじゅうなどもおすすめです。
「菓撰 / おかき・かりんとう詰合せ(6種10袋)」は、彩り豊かで見た目でも楽しめるほか、さまざまな種類の味が楽しめます。
水揚げされたえびの風味と旨みを活かした「カルビー / かっぱえびせん匠海 2種詰合せ11枚」や、釜から上げたての甘納豆を缶に詰めた「東京・銀座鈴屋 / 釜だし甘納豆詰合せ 4種9個」は、それぞれ素材の新鮮なおいしさに満ちています。
洋菓子は小さいお子様がいるご家庭にも喜ばれやすく、法事引出物として選ばれています。焼き菓子やゼリーなど日持ちのする品物も多く、食べるタイミングに困らないでしょう。
ベルギー王室御用達で世界中で愛されるチョコレートブランド・ゴディバの「ゴディバ / ラングドシャクッキー アソートメント(30枚)」は、贈り物の定番です。
夏の法事であれば、爽やかな「ホシフルーツ / 国産フルーツジュレ 彩果しずく 8袋入り」も喜ばれます。凍らせるとシャーベットのような食感が楽しめる点も魅力です。
「スイートバスケット / 焼き菓子詰合せ (10個)」は、バラエティ豊かなマドレーヌを味わえます。いずれも個包装のお菓子なので、好みのタイミングで口にしやすいでしょう。
海苔は食事の付け合わせやお弁当など、日常で頻繁に消費されています。軽くてかさばりにくいうえに好みが分かれにくいので、法事引出物にも選ばれやすいでしょう。
「白子のり / 海苔詰合せ(焼のり12袋詰・焼のり2袋詰・のり茶漬け10袋)」は、味のりやのり茶漬けもあわせて贈れる満足度の高い一品です。
「大関海苔 / のり詰合せ(味のり・焼のり×各2、わさび味のり・梅味のり×各1)」はさまざまな味わいを楽しめ、おやつ代わりに召し上がる方も多いでしょう。
愛知県三河湾で採れた初摘み海苔を厳選した「肴七味屋 / 愛知県産海苔[桐箱入り]」は、市販の品物と一線を画す風味や食感が魅力です。質にこだわりたい方におすすめです。
タオルには「悲しみの涙を拭い去る」という意味が込められており、仏事において定番の贈り物です。
使ったらなくなるものではありませんが、毎日のように使いいずれは交換するため消耗品であると考えられています。
特に人気が高いのは「フェルガナ / 今治フェイスタオルセット(グレイッシュブルー・ネイビー )」です。吸水性が高く肌触りが抜群の今治謹製のタオルは、抜群の信頼性を誇ります。仏事にふさわしい落ち着いた色合いも、選ばれている理由です。
両面で織りが異なる「antina / TOKITOタオル 木箱入りバスタオル ピンク」は、好みの肌触りに合わせて面を使い分けができる点が喜ばれています。
ハンドソープや入浴剤などのセットも人気です。「SOMALI / ハンドソープセット」は、上質な使用感と天然ローズマリーの香りが楽しめます。
近年では、カタログギフトは贈答品の定番となりつつあります。贈った相手が自分で品物を選べるので、失敗が少なく喜ばれやすいでしょう。
参列者全体の好みを考慮して品物を選ぶ必要がないので、施主側の負担も少なく済みます。
仏事のお返しなら、落ち着いた表紙のものを選びましょう。「選べるギフト 沙羅(さら) <梅(うめ)>」「万葉 <あさつゆ>」は、シックで美しい表紙が魅力です。旬のグルメから国内外で人気の雑貨ブランドまでラインナップも豊富で、欲しい品物が見つかるでしょう。
カタログギフトに定番の贈り物も添えたいと考えるなら「カタログギフト SAYU(サユウ) <みずがき>+カルビー / かっぱえびせん匠海 2種詰合せ11枚・t to 5 (5種セット)」がおすすめです。和菓子とお茶のセットを贈り、参列に対する感謝の気持ちを伝えましょう。
法事引出物を贈る際は、掛け紙をかけることがマナーとされています。あらたまった丁寧な気持ちで贈る、大切な品物であることを示せるでしょう。
掛け紙の表書き・水引・かけ方などに関するマナーも紹介します。
表書き(のし上)は掛け紙の上部に入れる文言で、贈り物の用途を表します。
地域や宗教により表書きは異なりますが、全国的に使われているのは「志」です。地域や宗教を問わずに使えるので、迷った際は「志」と書くことが無難とされています。
主に西日本では「粗供養」、中国・四国・九州地方では「茶の子」と記すことが多いでしょう。
神式では「偲び草」、キリスト教では「感謝」という表書きも使用しています。
また、年忌法要において仏式では「一周忌」、神式では「一年祭」と記すケースもあります。
法事引出物の包装紙は、熨斗のついていない掛け紙が適しています。熨斗は縁起物としてお祝いごとの贈り物に添えるものなので、仏事の贈答品には選ばないようにしましょう。
水引は「悲しみを繰り返さない」という気持ちを込められる、結び切りを選びます。
水引の色は、黒白が一般的です。ただし、関西においては一周忌までは黒白または双銀、三回忌以降なら青白または黄白と使い分ける地域があります。迷う場合は、地域の風習に詳しい方に相談してから選ぶとよいでしょう。
法事のお返しにつける掛け紙の下部には、名前(のし下)を入れます。お返しを受け取った方が、誰から贈られた品か一目で判断できるように書きましょう。
書き入れるのは、施主の姓のみである場合が一般的です。ただし、同じ姓の親族が多い場合は、フルネームを書くとよいとされています。
なお、施主と故人の姓が異なるときは、故人の姓で「〇〇家」と入れましょう。
外のし・内のしとは、掛け紙のかけ方の違いを意味します。
法事引出物を手渡しする場合は、一目で贈り主がわかる外のしを選ばれる方が多いでしょう。一方で、宅配便で送る場合は掛け紙の汚れや破損を防ぐために内のしが選ばれています。
法事引出物を郵送する場合は、お礼状を添えましょう。直接お渡しするならお礼の言葉を伝えられますが、郵送の場合はお礼の気持ちが伝わりにくいケースもあるからです。
なお、お礼状の文中には、句読点や同じ響きを繰り返す言葉を使用することはマナー違反とされています。マナーを踏まえつつ、お礼状の例文を解説します。
高額なお供えをくださった方には、心遣いに対する感謝を伝えましょう。
法事にご参列いただいているので、簡潔な文章で問題ありません。
拝啓
亡父 〇〇〇〇儀 〇周忌法要に際しましては
過分なお心遣いをいただきまして厚くお礼申し上げます
ささやかではございますが お礼のしるしに心ばかりの品をお贈りいたします
ご受納いただければ幸いかと存じます
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
(施主)〇〇〇〇
法事は欠席したものの、お供えを包んで送ってくださった方には、法事を無事に済ませた報告も伝えましょう。
報告したうえで、お礼の品物を贈る旨を伝えると丁寧です。
拝啓
先般 亡父〇〇の〇周忌法要に際しましては
御丁重なるご厚志を賜りまして誠にありがたく厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして〇月〇日に滞りなく法要を相営むことができました
謹んでご報告申し上げます
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をご用意いたしましたので
何卒お納めくださいますようお願い申し上げます
略儀ながら書中にて御礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
(施主)〇〇〇〇
法事引出物は、法事のお供えのお礼として贈る品物です。基本的には法事当日の帰り際にお渡しし、欠席された方や高額なお供えをいただいた場合には後日郵送しましょう。
金額は3,000〜5,000円が目安とされています。軽くてコンパクトな品物を中心に、参列者に喜んでいただける贈り物を選びましょう。
法事引出物にお悩みの方は、antina gift studioのご利用がおすすめです。仏事にふさわしいカタログギフトや贈り物を多数取り揃えていることはもちろん、ラッピングや掛け紙も無料でご利用できます。ギフト選びにお困りの際はギフトアドバイザーがお手伝いいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。